
ヒューズ選定の重要性
ヒューズは保安部品であり、万が一の際に安全を確保するために、各装置・回路環境に適合したものを選択する必要があります。
適切な選定により、ヒューズの保護機能を最大限に活かすことができますが、選定を誤ると重大な事故につながる可能性があります。
また、ヒューズは寿命のある部品ですが、正しい選定方法によって適切な期待寿命を持たせることが可能です。
ヒューズ選定の流れ
ヒューズ選定の方法を下記①~⑤でご説明します。
ヒューズを選定する際は下記を参考にし、適切なヒューズをご選択ください(詳細は、こちらにも記載がございます)。
ヒューズ選定にてご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
①安全規格の確認
ヒューズを搭載される装置の仕向け地や、お客様の指定によって必要となる安全規格を、ご使用予定のヒューズが取得しているかをご確認ください。
②定格電圧からの選定
ヒューズ選定時は、ご使用予定のヒューズの定格電圧(定格遮断容量)が回路電圧以上、且つ想定短絡電流以下であることを確認してください。
③定常電流からの選定
定常電流の実効値を算出し、”定常ディレーティング”、”温度ディレーティング”を考慮してください。
各種ディレーティングを考慮することで、弊社ヒューズに長期寿命を期待することができます。
・ヒューズの定格電流値 ≧ 定常電流(実効値)÷定常ディレーティング係数÷温度ディレーティング係数
※実効値の算出方法⇒こちら、 各種ディレーティング係数⇒こちら図1
④突入電流からの選定
④-1
ヒューズを通過するラッシュ電流(突入電流)がそのヒューズの溶断I2t 以下でも、繰り返し流れることよってヒューズは劣化し、断に至ることがあります。
そのため、下記のようにラッシュ電流でも早期に溶断しないヒューズの選定を行う必要があります。
・ヒューズのジュール積分値I2t > ラッシュ電流ジュール積分値A2・s÷ラッシュ耐量係数
※ ジュール積分値の算出方法⇒こちら、 ラッシュ耐量係数⇒こちら
④-2
算出されたA2・s以上の溶断I2tをもったヒューズ定格をお選びください(図2の場合はBL50<)。
尚、極端に大きいヒューズ定格を選定されると、保護用途によっては故障電流でヒューズが切れなくなる可能性がございます。図2
⑤実機での動作確認
上記①~④で選定されたヒューズが、装置の故障時・短絡時に問題なく動作することを実機でご確認ください。